2020/08/03-08/07 日米の株式市況の1週間の株価の動きと変動要因の記録です。
2020/08/03 ~08/07、今週は日経平均が上昇、NYダウが5日間続伸
米中関係が悪化しており、日本株の値がやや重くなっている。米国株は今週中続伸し続けた。ナスダックは史上最高値を記録した。それに伴い、ジャスダックの関連企業銘柄も上昇した。しかし、米国株高に日経平均は連動せず、週の後半は失速した。それでも日経平均は先週に比べて上昇した。
日経平均
日経平均の1週間
先週終値 [21,710.00] から今週終値 [22,329.94] と前週比2.8%高
週の前半は前週の揺り戻しがあり大幅高となったが、週の後半になると米国株高を好感できず小幅安が続く展開に。米中摩擦が深刻化していることが、米国株と連動できない原因と見る向きが多い。決算は好感と嫌気が混じる中、ゲーム業界の決算は軒並み好調。今週は米国のナスダックが好調であり、関連する企業銘柄は上昇傾向にあった。
8月3日 (月)
21,947.58 - 22,195.38 (+485.38、前日比2.24%高)
7営業日ぶりの反発となった。
6日間続落の影響で買戻しがしやすかった。先週の米国決算で、アップルをはじめとする大手IT企業の好決算が影響し、買いが先行。先週ストップ高を記録したZOZOは今週も上昇、ソフトバンクGもアーム買収観測が伝わったことから、5%以上の上昇を記録した。決算が市場予想を下回ったNECとキーエンスは失望感の広がりから大幅安となった。セブン&アイは米国のコンビニ事業買収の報道があるも売りで反応。本日マザーズ上場のモダリスは初値より11.5%下げて本日を終えた。為替市場では一時1ドル=106円台半ばとなり、輸出関連企業の採算が改善するという見方もある。業種別では唯一空輸業がマイナスを記録した。寄り引き後にあったJALとANAが決算で大幅赤字を記録したことから、明日以降の動向に注目したい。
8月4日 (火)
22,379.74 - 22,195.38 (+378.28、前日比1.7%高)
2日連続の大幅続伸となった。
前日の米国株高を受けて、リスク許容度も増した。為替市場の円安・ドル高もひと段落したことで、市場に安心感が広がった。3日の決算は市場に軒並み好感であり、特にキッコーマンはストップ高まで伸びた。決算発表は純利益13%減であったが、市場の予想を上回った。三木証券の北沢淳投資情報部課長は「北米や欧米など海外向けの需要拡大が好感され、年間を通して好業績への期待が高まった」指摘した。またソニーが決算発表前に買いを集めた。旭化成は21年3月期の連結営業利益が前期比27~32%減1,200億~1,300億円になりそうだと発表。「黒字で着地できるとの見通しが買い安心感につながった」(ミョウジョウ・アセット・マネジメントの菊池真代表取締役)との声もあり急伸した。JASDAQでは、米国ハイテク株が大幅上昇した流れで、電子部品や配線基盤などの銘柄が物色され、太洋工業株式会社が急伸した。業種別には全33業種が上昇、運輸3業種は急伸であった。値上がり銘柄は1,800以上で全体の83%が上昇した。
8月5日 (水)
22,479.72 - 22,514.85 (▲58.81、前日比0.26%安)
本日は小幅安となった。
前日までの2日間で800円以上、上がったことから利益確定売りが優勢だった。ソフトバンクGが5%以上の下げ幅記録したことが日経平均を引き下げた。米国のエネルギー銘柄が好決算多い中で、エネルギー銘柄に上昇がみられた。ゲーム業界に好決算が続く中で、明日決算の任天堂は買いが増えた。金先物が1トロイオンス=2,021.0ドルで終値ベースで初の2,000ドル台に乗せたことから金関連銘柄が上昇した。業種別では先日上げた空輸、陸運の下げが目立った。東証1部の値上がり銘柄は981、値下がり銘柄は1,090だった。
8月6日 (木)
22,471.71 - 22,418.15 (▲96.7、前日比0.43%安)
前日から続き続落。
米国株高を好感できず、やや方向感に欠ける一日となった。今期は大幅減益計画となって減配も発表したホンダが6%超の下落を記録。トヨタ自動車は大幅減益ながら黒字を確保したことで上昇。半導体製造装置のレザーテックは市場予想を下回り、業績見通しが大きく下がった。前日に第1四半期決算を発表したUTグループはストップ高まで買われた。建設関係企業は決算で好調だった。好決算だったシャープが大幅上昇した。値上がり銘柄数は852、値下がり銘柄は1251、変わらずは70銘柄だった。
8月7日 (金)
22,433.78- 22,329.94 (▲88.21、前日比0.39%安)
3日間連続の続落となった。
米中のIT規制が日本のハイテク株にとって逆風となった。3連休前であり、様子見ムードが広がった。好決算だったスクエニHDがストップ高となり、関連してバンダムHDが上昇するなどゲーム関係銘柄が下値を支えた。また、ANAやJALといった空輸株にリバウンド狙いの買いが入る。中国のアリババ株が低下した影響で、ソフトバンクGは下落、今月大幅な上昇を見せていたレザーテックは利益確定のためか売りが先行して急落。今期最終赤字見込みの資生堂が前日比8%も急落。本日マザーズに上場したT&Sは売買不成立、買い気配のまま取引を終えた。気配値は6,440円であった。東証一部の値下がり銘柄数は1,183、値上がりは908、変わらずは82銘柄だった。
NYダウ
ダウの1週間
先週終値 [26,428.32] から今週終値 [27,433.48] と前週比3.8%高
先週から引き続き続伸し続け、今週は最終日まで伸び続けた。
特にハイテク株が好調であり、ナスダックが史上最高値を記録した。大半の発表指標が市場予想を上回っており、市場は好感した。決算発表も買い支えを支援した。マイクロソフトのTikTok買収からはじまり、米中緊張は深刻化している。また景気追加支援政策が今週の焦点であったが、週内の合意はなかった。しかし、市場は景気追加支援政策について何らかの形になると楽観しており、そこまで嫌気されなかった。
8月3日 (月)
26,542.32- 26,664.40 (+236.08、前日比0.89%高)
本日のNYダウは続伸であった。
製薬会社のイーライ・リリーがカナダのバイオ企業と共同開発中のcovid-19抗体薬が、フェーズ3治験を開始したことから、治療薬の期待が広まる。ISM製造業景気指数が市場の予想を上回り改善。主力ハイテク株のうち、アップルやネットフリックスが上昇した。TikTokの買収を発表したマイクロソフトも、大幅な上昇を記録した。但し、それを受けて中国事業見直しをナバロ米大統領補佐官がマイクロソフトに求める可能性が出てきており、買収の先行きに注意したい。主力ハイテク株が上昇した中で、ナスダック株価指数は過去最高値を記録。本日発表された主要な決算はグローバル・ペイメンツ、マッケソンが市場の予想を上回り好感であった。景気追加支援政策については、合意困難の場合は政府が独自で失業保険上乗せ策を模索するとの報道もあった。
8月4日 (火)
26,664.61- 26,828.47 (+164.07、前日比0.62%高)
本日のNYダウは続伸だった。
長引く追加融資政策の議論に対する警戒から、下落して寄り付いた。シューマ—上院議員の「進捗している」という発言から、合意の期待が高まり上昇に転じた。ハイテク株が大半を占める、ナスダックではアドバンスト・マイクロ・デバイスの急伸などを背景に続伸して、過去最高値を記録した。決算はアメリカン・ナショナルグループが79億ドルの銃損失を出し嫌気とされた。一方で素材銘柄の決算は軒並み好調であった。原油先物が3月以来の高値を付けたことでエネルギー銘柄も上昇した。イーストマン・コダックを米証券取引委員会が調査し始めたとのニュースからコダックは急落した。
8月5日 (水)
26,924.78- 27,201.52 (+373.05、前日比1.39%高)
本日のNYダウは4日間連続の続伸であった。
ついか追加景気支援策の話し合いで、争点である失業保険上乗せについて共和党側が譲歩を見せたことから今週中に合意案が成立する可能性が出てきており、市場では期待が広がった。共和党上院が航空業界に支援を表明したことから空輸業銘柄も上昇した。決算では好決算を発表したウォルト・ディズニーやスクエアが上昇した。ワクチン開発に関して、ノババックスがフェーズ1試験で免疫反応が確認され急伸した。ジョンソン・エンド・ジョンソンも有効性が確認できれば、10億ドルで1億回分のワクチンを製造することで政府と合意したことが好感となり株価が上昇。発表された指標では7月ISM非製造業PMIが市場予想を上回った。一方で7月ADP民間部門雇用者数は市場予想を大きく下回ったが前月予想が大幅修正されたため、反応は悪くなかった。ナスダックは連日の最高値を記録した。
8月6日 (木)
27,170.82- 27,386.98 (+185.46、前日比0.68%高)
NYダウは6日連続の続伸だった。
週次新規失業保険申請件数が3週間ぶりに減少。継続受給者数も予想を下回った。ペロシ下院議長が追加景気対策について「協議は進展した」と発言したうえ、合意に至らなかった場合の対策をドランプ大統領が大統領命令にて発する計画があると述べたことから、景気対策は実行されるとの見方が広がった。企業決算は強弱入り混じる結果となり、へルスケア関連企業がやや失望された一方、ファイサーブ、シールドエアー、バイアコムCBSは好調。ソーシャルネットワークのフェイスブック(FB)がティックトックに対抗するビデオサービス、リールを発表し急伸した。渡航規制を緩和するというニュースが好感された。ナスダックは今日も続伸してS&P500は史上最高値まで1.31%迫った。VIX指数は前日の22.99ポイントから22.65ポイントに低下し、センチメントの改善が続いた。
8月7日 (金)
27,321.68- 27,433.48 (+46.5、前日比0.17%高)
NYダウは続伸となった。
7月雇用統計は、非農業部門雇用者数が市場予想を上回り、失業率も改善した。しかし、米中緊張のエスカレートが懸念されスタートは軟調。追加融資政策の話し合いが行き詰ったことも重しとなった。オンライン不動産サイトのジロー(Z)や通信のTモバイル(TMUS)は好決算が好感されそれぞれ急伸。AMCエンターテイメント(AMC)は売上が99%減となるなど大幅赤字となる決算を発表したものの、破綻は免れるとの見方から急伸。ハイテク株主体のナスダックは利益確定売りが先行し、8日ぶりの反落となった。S&P業種別指数では金融、公共事業、資本財・サービス、不動産が1%を超える上昇であった。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスや工業製品・事務用品大手のスリーエム(3M)なども上げ、ダウ平均を支えた。イルミナが金融機関の投資判断引き下げを受けて-10.94%と大幅落であった。
今週の値動き銘柄
- 中外鉱業株式会社 (東証2部)
- アウンコンサルティング株式会社 (東証2部)
- AppBank株式会社 (マザーズ)
- santec株式会社 (東証JQS)
- 株式会社アイ・エス・ビー (東証1部)
- Zホールディングス (東証1部)
- 株式会社FHTホールディングス (東証JQS)
- 株式会社GSIクレオス (東証1部)
- 太洋工業株式会社 (東証JQS)
- 株式会社ベガコーポレーション (マザーズ)
- ツインバード工業株式会社 (東証2部)
- キッコ-マン株式会社 (東証1部)
- 川澄化学工業株式会社 (東証2部)
- 株式会社ベガコーポレーション (マザーズ)
- 株式会社イメージワン (東証JQS)
- 株式会社大日光・エンジニアリング (東証JQS)
- 株式会社ブランジスタ (マザーズ)
- アクセルマーク株式会社 (マザーズ)
- 株式会社ディーエヌエー (東証1部)
- GMOTECH株式会社 (マザーズ)
- UTグループ (東証1部)
- 株式会社インサイト (札幌ア)
- ロードスターキャピタル (マザーズ)
- ジェイリース株式会社 (東証1部)
- 株式会社ミズホメディー (東証2部)
- 日本電子材料 (東証1部)
- Klab株式会社 (東証1部)
- 日本パレットグループ (東証JQS)
- 日精エー・エス・ビー機械株式会社 (東証1部)
- 福山通運株式会社 (東証1部)
来週に向けて
- 経済イベント
- 経済指標の発表
- 8/11(日) 6月 国際収支・経常収支(季調前)
- 8/11(日) 6月 国際収支・経常収支(季調済)
- 8/11(日) 6月 国際収支・貿易収支
- 8/11(日) 7月 景気ウオッチャー調査-現状判断DI
- 8/11(日) 7月 景気ウオッチャー調査-先行き判断DI
- 8/11(米) 7月 卸売物価指数(PPI)(前月比)
- 8/11(米) 7月 卸売物価指数(PPI)(前年同月比)
- 8/11(米) 7月 卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く)(前月比)
- 8/11(米) 7月 卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く)(前年同月比)
- 8/12(日) 7月 マネーストックM2(前年同月比)
- 8/12(米) MBA住宅ローン申請指数(前週比)
- 8/12(米) 消費者物価指数(CPI)(前年比)
- 8/12(米) 消費者物価指数(CPI)(前月比)
- 8/12(米) 消費者物価指数(CPI)(食品・エネルギー除くコア)(前年比)
- 8/12(米) 消費者物価指数(CPI)(食品・エネルギー除くコア)(前月比)
- 8/13(米) 7月 輸入物価指数(前月比
- 8/13(米) 7月 輸出物価指数(前月比)
- 8/13(米) 前週分 新規失業保険申請件数
- 8/13(米) 前週分 失業保険継続受給者数
- 8/13(日) 7月 国内企業物価指数(前月比
- 8/13(日) 7月 国内企業物価指数(前年同月比)
- 8/14(日) 6月 第三次産業活動指数(前月比)
- 8/14(米) 7月 小売売上高(前月比)
- 8/14(米) 7月 小売売上高(除自動車)(前月比)
- 8/14(米) 4-6月期 四半期非農業部門労働生産性・速報値(前期比)
- 8/14(米) 4-6月期 四半期単位労働コスト・速報値(前期比年率)
- 8/14(米) 7月 鉱工業生産(前月比)
- 8/14(米) 7月 設備稼働率
- 8/14(米) 6月 企業在庫(前月比)
- 8/14(米) 8月 ミシガン大学消費者態度指数・速報値
- イベント
- 8/10(日本) 休場
- 決算予定
- 8/11(日本) 森永製菓株式会社
- 8/11(日本) 株式会社マツモトキヨシホールディングス
- 8/11(日本) 楽天株式会社
- 8/11(日本) 住友不動産株式会社
- 8/12(日本) ENEOSホールディングス株式会社
- 8/12(日本) 株式会社東芝
- 8/13(日本) 三菱商事株式会社
- 8/13(日本) 富士フイルムホールディングス株式会社
- 8/13(日本) 株式会社電通
- 経済指標の発表