企業・経済分析

2020/08/10-08/14 日米の株式市況

2020/08/10-08/14 日米の株式市況の1週間の株価の動きと変動要因の記録です。 

2020/08/10 ~08/14、今週は日経平均が4日連続続伸、NYダウは上昇した

今週1週間は日経平均が大幅な続伸をみせ、NYダウはもみ合いとなりながらも上昇で終わった。全体として、ワクチン開発に関する期待から上昇傾向を維持。日本株では、米国の景気敏感セクターが上昇傾向であることにつられて、類似セクターが上昇傾向。米国株では、追加景気支援策は実施が不透明であるとされながらも合意に対する楽観の見方は続く一方、米中関係の悪化が引き続き深刻化している。

日経平均

日経平均の1週間

先週終値 [22,329.94] から今週終値 [23,289.36] と前週比4.2%高

今週は4日間続伸し続け、2万3,000円台を突破。週明け以降景気循環銘柄が好調で、特によく買われた。米国のCovid-19ワクチン関連の動きは引き続き活発であり、期待感から市場は上向き傾向。火曜~木曜の3日間で全体の方向性がある程度が決まったことから、マイナス材料の多かった金曜日も上昇にて引ける。

8月10日 (月)

休場

8月11日 (火)

22,505.51 - 22,750.24 (+420.3、前日比1.88%高)

大きく反発した。米国株が景気敏感セクターを中心に好調だった流れを引き継ぎ、不動産や鉄鋼株などを買い戻す動きが表面化。アジア株式市場も軒並み堅調だったたことも投資家心理を上向かせた。トヨタが4%近い上昇で高値引けしたほか、ホンダやSUBARUなど自動車株が大幅高。JR東・西・東海など鉄道株も大幅上昇。アルツハイマー病治療薬に関するリリースが好感されたエーザイが13%超の上昇を記録。ソフトバンクは売買代金は膨らむも軟調。一方、マザーズはメルカリなどの主力銘柄が売り優勢で逆向安となった。東証1部では値上がり銘柄数1,810、値下がり銘柄数330、変わらず33銘柄。バリュー株が特に好調であった。

8月12日 (水)

22,747.44 - 22,843.96 (+93.72、前日比0.26%高)

続伸。為替市場で円安が進んだことで景気敏感株と輸出関連株が買われた。米国の追加景気支援策の実施に不透明感が増す中で上値重い展開。米国でハイテク株の下落が続いたことで、日本のハイテク株関連企業も下落。マザーズも2.08%の下落。業種別では鉄鋼、石油・石炭、カス・電気が特によく、唯一非鉄金属が前日比マイナス。東証1部では値上がり銘柄数1,641、値下がり銘柄数472、変わらず60銘柄。

8月13日 (木)

23,123.36 - 23,249.61 (+405.65、前日比1.8%高)

大幅続伸。トランプ米大統領がモデルナからCovid-19ワクチンを1億本分購入すると発表し、ワクチン開発の期待が投資家心理を上向かせた。米国ハイテク株が前日に上昇したことを受け、ハイテク関連銘柄が買われた。米フィラデルフィア半導体株指数 (SOX指数) は3.36%高と大幅反発し5日ぶりに史上最高値を更新したことで、日本でも半導体関連株が上昇。ジャスダックは上昇、マザーズも好決算を中心に上昇。東証1部では値上がり銘柄数1,478、値下がり銘柄数615、変わらずが80銘柄。

8月14日 (金)

23,323.92 - 23,289.36 (+39.75、前日比0.17%高)

続伸。お盆前で積極的な売買が少なく、東証1部の売買代金は概算2兆270億円、売買高は10億5,553万株。週末で前日大幅高分の利益確定もあって上値重い流れ。結果として、これら悪材料はありつつも、前日までの大幅続伸の流れをうけて前日比若干上げて着地。ワクチン開発の期待が強まっているのもプラス材料となった。ジャスダック、マザーズは続伸した。東証1部では値上がり銘柄数818、値下がり銘柄数1,276、変わらず79銘柄。

NYダウ

ダウの1週間

先週終値 [27,433.48] から今週終値 [27,931.02] と前週比1.8%高

今週は、S&Pの終日最高値に手が届きそうなところから反落するなど1週間もみ合った結果、前週比やや高で終えた。先週から続いていた続伸がひと段落した形。市場が注目する追加景気支援策の協議が行き詰まりを見せるも、合意に関する楽観視は継続。ワクチン開発の期待も高まり、底値は支えられた。もう一つの焦点である米中関係の緊張はより深刻化、悪材料化が進む。訴訟関連のニュースが続いた週であり、今後の動向に注目したい。

8月10日 (月)

27,488.21 - 27,791.44 (+236.08、前日比0.89%高)

7日連続の続伸。主力ハイテク株は利益確定売りが続き、ハイテク株主体のナスダックは0.39%安と続落。S&P500はITが下落するも、エネルギーや資本財が上昇。先週金曜に合意完了しなかった追加景気支援策は、ムニューシン米財務長官がCNBCのインタビューで対策規模拡大の可能性に言及、今週中の与野党合意に前向きな見通しを示す。またドランプ大統領が追加景気支援策に関する大統領令にサインしたことも好感された。一方、中国政府が米上院議員11人に対する制裁を発表、米中緊張はさらに警戒される。配送大手のフェデックス (FDX) やUPSはアナリストによる投資判断引き上げが好感され軒並み上昇。寄り前に決算発表を行ったロイヤル・カリビアン・クルーズ (RCL) は2021年予約状況が堅調で+10.0%。

8月11日 (火)

27,961.64 - 27,686.91 (▲104.53、前日比0.38%安)

久しぶりの下落。ロシアが初めてCovid-19 のワクチン登録を発表し開発期待が広がるなかで景気循環株が好調。PPIは市場予想を上回る。しかし追加景気支援対策の実施に不透明感が広がっており、午後は売り優勢。ハイテク株主体のナスダックは3日連続で続落。S&P500は2020年2月19日の史上最高値まで0.37%と迫るも、結局前日比0.80%安と8日ぶりに反落して終了。業種別では金融、資本財が上げる一方で情報技術▲1.78%、不動産▲1.87%、公益事業▲2.13%と下落も多かった。半導体メーカーのクアルコム(QCOM) は、連邦高等裁判所が同社が反トラスト法 (独占禁止法) に違反したとする連邦地裁の判決を破棄したことで好感され上昇。ブロードリッジ・ファイナンシャル・ソリューションズ (BR) は寄り前発表の決算好調を受け+4.03%。ウーバー・テクノロジーズ (UBER) は、カリフォルニア州で運転手を正規社員とすべきとの裁判所判決が出され▲3.28%。

8月12日 (水)

27,860.24 - 27,976.84 (+289.93、前日比1.05%高)

反発。7月の消費者物価指数が0.6%上昇と市場予想を上回り経済回復を印象付けた。またトランプ大統領がキャピタルゲイン減税を検討中であると報道され、市場センチメントをポジティブに転換。利益確定売りが続いていた主力ハイテク株が騰勢を強めたことで、ナスダックは229.42ポイント高。S&P500では前日比1.40%高と反発、史上最高値にせまる3380.35ポイントで終了。電気自動車のテスラは、普通株1株を5株にする株式分割の発表が好感。バイオテクノロジーのモデルナは開発中の新型コロナウイルスに対するワクチンを1億回分製造・供給する契約を米政府と結んだと発表。携帯市場への再参入を発表したマイクロソフトが上昇。ブリンカー・インターナショナルが予想より良好な決算を発表し上昇。半導体株が上昇したことでフィラデルフィア半導体株指数 (SOX指数) は3.36%高と大幅反発、5日ぶりに史上最高値を更新。

8月13日 (木)

27,922.51 - 27,896.72 (▲80.12、前日比0.29%安)

反落。追加景気支援策の議論がまとまらず全体として低調。追加景気支援策の成立は時間の問題だという楽観論の中で高値を更新し続けていたが、そろそろ上値を気にする慎重論も出始めた。この日発表の新規失業保険申請件数は100万件を切るなど労働市場の回復をうかがわせたが、反応としてはやや鈍かった。S&P500は前日に続き史上最高値を上回る展開を見せるも、最終的に0.20%安と反落して終了。特にエネルギー、不動産といった景気循環銘柄が売りに出された。ハイテク株中心のナスダックは続伸。アップル、Netflixを中心に強く買われた。シスコシステムズは決算を嫌気され大幅下落。マイクロン・テクノロジーは投資判断引き下げで大幅下落。

8月14日 (金)

27,828.93 - 27,931.02 (+46.5、前日比0.17%高)

反発し小幅高。7月小売売上高は前月比+1.2%と市場予想+2.1%を下回り、Covid-19の感染拡大が個人商品の回復を鈍化させると懸念される。鉱工業生産は市場予想とほぼ一致。8月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値が予想外の上昇で好感。追加景気支援策の目途は未だ立たないが楽観論は消えず、もみ合う展開。明日に予定されていた米中第一弾貿易合意にかかる米中代表のバーチャル会議が突然無期延期になったと報道され、市場は急速に失速。ナスダック総合は0.21%安と3日ぶりに小幅反落、S&P500は0.58ポイント安と小幅落。携帯端末のアップルや検索大手アルファベットは、人気のゲームアプリ「フォートナイト」の制作会社が両社を契約違反として訴訟を起こしたことが嫌気されそれぞれ下落。

今週の値動き銘柄 

  • ダントーホールディングス株式会社 (東証1部)
  • 菊水化学工業株式会社 (東証2部)
  • 株式会社音通 (東証2部)
  • 株式会社リグア (マザーズ)
  • 株式会社NexTone (マザーズ)
  • 株式会社MTG (マザーズ)
  • 株式会社リボミック (マザーズ)
  • 株式会社アクセル (東証1部)
  • ダントーホールディングス株式会社 (東証1部)
  • 新日本電工株式会社 (東証1部)
  • ティアンドエス (マザーズ)
  • 株式会社ホープ (マザーズ)
  • 株式会社リグア (マザーズ)
  • 株式会社アルバック (東証1部)
  • 株式会社インサイト (札幌ア)
  • ディーエムソリューションズ株式会社

来週に向けて

  • 経済イベント
    • 経済指標の発表
      • 8/17(日) 4-6月期 四半期実質国内総生産 (GDP、速報値) (前期比)
      • 8/17(日) 4-6月期 四半期実質国内総生産 (GDP、速報値) (年率換算)
      • 8/17(日) 6月 設備稼働率 (前月比)
      • 8/17(日) 6月 鉱工業生産・確報値 (前月比)
      • 8/17(日) 6月 鉱工業生産・確報値 (前年同月比)
      • 8/17(米) 8月 ニューヨーク連銀製造業景気指数
      • 8/17(米) 8月 NAHB住宅市場指数
      • 8/17(米) 6月 対米証券投資
      • 8/17(米) 6月 対米証券投資 (短期債除く)
      • 8/18(米) 7月 住宅着工件数 (年率換算件数)
      • 8/18(米) 7月 住宅着工件数 (前月比)
      • 8/18(米) 7月 建設許可件数 (年率換算件数)
      • 8/18(米) 7月 建設許可件数 (前月比)
      • 8/19(日) 7月 貿易統計 (通関ベース、季調前)
      • 8/19(日) 7月 貿易統計 (通関ベース、季調済)
      • 8/19(日) 6月 機械受注 (前月比)
      • 8/19(日) 6月 機械受注 (前年同月比)
      • 8/19(米) MBA住宅ローン申請指数 (前週比)
      • 8/20(日) 前週分 対外対内証券売買契約等の状況 (対外中長期債)
      • 8/20(日) 前週分 対外対内証券売買契約等の状況 (対内株式)
      • 8/20(米) 8月 フィラデルフィア連銀製造業景気指数
      • 8/20(米) 前週分 新規失業保険申請件数
      • 8/20(米) 前週分 失業保険継続受給者数
      • 8/20(米) 7月 景気先行指標総合指数 (前月比)
      • 8/21(日) 7月 全国消費者物価指数 (CPI) (前年同月比)
      • 8/21(日) 7月 全国消費者物価指数 (CPI、生鮮食料品除く) (前年同月比)
      • 8/21(日) 7月 全国消費者物価指数 CPI、生鮮食料品・エネルギー除く) (前年同月比)
      • 8/21(米) 8月 製造業購買担当者景気指数 (PMI、速報値)
      • 8/21(米) 8月 サービス部門購買担当者景気指数 (PMI、速報値)
      • 8/21(米) 8月 総合購買担当者景気指数 (PMI、速報値)
      • 8/21(米) 7月 中古住宅販売件数 (年率換算件数)
      • 8/21(米) 7月 中古住宅販売件数 (前月比)
    • イベント
      • 8/19(米)米連邦公開市場委員会 (FOMC) 議事要旨
    • 決算予定
      • 8/17(日) 株式会社総医研ホールディングス
      • 8/17(日) 株式会社ビジョナリーホールディングス
      • 8/17(米) HPビリトン
      • 8/20(日) 株式会社船井総研ホールディングス
      • 8/20(日) グリー株式会社
      • 8/20(日) 株式会社トラスト

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