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『ストーリーとしての競争戦略』書評

こんにちは。Fyneatブログ担当です。

経営者として事業を行う中で、たとえば以下のような漠然としたモヤモヤを感じる方は多いのではないでしょうか。

 「社員が思うとおりに動いてくれない」

 「なんだか社員からやる気が感じられない」

しかし一方で、従業員側も「上司の意図がわからない」「どうしてもモチベーションが上がらない」と感じているのはご存じでしょうか。

私は従業員の立場ですが、実際に上司の指示の意図が読み取れなかったり、仕事のモチベーションがどうしても上がらないという状況に陥っていたことがあります。

もちろん企業に貢献しつつ、自分自身でも生産性を上げていきたいといつも思ってはいます。しかしそのために現実的に何をすればいいのか、何を考えながら仕事をすればよいのかというのがわからないことがあります。

そういったモヤモヤの解決の糸口を作ってくれたのが、今回ご紹介する『ストーリーとしての競争戦略‐優れた戦略の条件』(楠木建 著)です。

この本から得た学びにより、私自身、仕事に対するモチベーションを上げることができました。よって、従業員の立場にある方々に対してはもちろんのこと、社員のモチベーション戦略に悩む経営者の方々にとってもいくつもの学びが得られる本なのではないかと思います。

今回の記事では、私が『ストーリーとしての競争戦略‐優れた戦略の条件』という本を読んで得た学び、そしてそれを受けてどのように行動を変えたのかということを書いていきます。

「ストーリーとしての競争戦略‐優れた戦略の条件」を読む前に私が感じていた、仕事を進めるうえでの問題点

①自分の担当業務が全体のどの部分に当たるかわからない

②何を意識して仕事をすればいいかがわからない

以下では問題点について中身を見ていきます。

自分の担当業務が全体のどの部分に当たるかわからない

私はこれまで仕事をする際、仕事の全体像や、自分の担当業務が全体の流れの中でどこに位置するものなのかを意識することがありませんでした。そのため、部分最適で業務を進めてしまい、全体の方向性から徐々に明後日の方向へずれていってしまって、結果的に余計な時間を食うばかりか、上司にも叱られてモチベーションが低下するということがよくありました。

特に入社したての頃は全体像がまったくつかめなかったので、その頻度も今より高かったように思います。

何を意識して仕事をすればいいかがわからない

仕事の全体の流れがつかめないということは、自身の担当業務のクオリティの低下にも繋がっていきます。

会社がどこを向いていて、自身の担当業務が全体の中でどこに位置しており、いつまでに終わらせなくてはいけないのか、どの程度の質が必要なのかなどを意識しなければ、高いクオリティのアウトプットを出すことはできません。

ただ漠然と仕事をしていても生産率は落ちる一方であり、極端な話をすれば無駄な時間が過ぎていくだけになってしまいます。

読んでから変化した行動

本による学びを受けて、私は主に以下の2点を意識して行動するようになりました。

①会社のビジョンや戦略を意識するようになった

②「なぜこの業務をやるのか」という自問をするようになった

会社のビジョンや戦略を意識するようになった

そのような状況で上司に薦められて読んだのが『ストーリーとしての競争戦略‐優れた戦略の条件』でした。この本を読んで、それまで単発の要素としてしか理解しきれていなかった業務が、全体の中で必要なピースであると理解できるようになりました。

この本はどちらかというと経営者向けのものなので、従業員という私の立場から読むと、また違った視点から見ることができます。

自社の事業を通じ「接続的な利益創出」のために何がしたいのか、どのような顧客を捕まえたいのかを考えるようになりました。

詳しくは後で書きますが、事業の目的は「接続的な利益創出」です。

「接続的な利益創出」のために自分たちの事業が何をしたいのか、そのためにどのような顧客を狙っているのかというのを考えるようになりました。

仕事を全体の流れの中で見たとき、誰もが必ず「接続的な利益創出」に向かって仕事をしているはずです。そして「接続的な利益創出」を出すために捕まえたい顧客がいるはずです。

私は、その顧客を捕まえて「接続的な利益創出」を導くため、自身の担当業務がどの過程に位置しているのかというのを考えつつ仕事をすることを試みました。

その結果、仕事をする際に何を優先してどの程度のクオリティが求められているのかという相談を上司ともするようになり、やり直しの回数が減って、モチベーションが低下することが少なくなり、自分が今何をやっているのかがわからないという状況もはるかに少なくなりました。

「なぜこの業務をやるのか」という自問をするようになった

仕事をするうえで、部分な業務(あるいはタスク)に対する意味づけは、モチベーションを高い状態で保つ意味でも非常に重要です。

ただし、日々沢山の業務に追われている経営者や上司がその意味づけを懇切丁寧に説明してくれることは稀です。自分自身で全体像から推察し、読み解かねばなりません。

一見タイムロスのようにも思えますが、「なぜこの業務をやるのか」を常に自身へ問いかけていくことで、何を意識して仕事をすれば良いかがわかり、結果的に仕事のクオリティを自分の工夫で上げるようにするという意識も持てるようになりました。

これらを一言で言い表すのならば、以前よりも「結果にコミットするができるようになった」ということでしょう。

ストーリーとしての競争戦略を読んで学んだポイント

この項目では私自身がこの本を読む中で学び、流れとして仕事を理解する事が大切であると感じたポイントを説明します。主なポイントは以下です。

①「本質的な顧客価値」を意識してコンセプトを作ること

②一見非合理的でも全体の流れの中で合理的になるものもあるということ

③戦略は結果から逆算して考える必要があるということ

④戦略は共感を得やすいものでなくてならないということ

「本質的な顧客価値」を意識してコンセプトを作ること

戦略を組む時には、コンセプトをしっかりと組まないと要素の方向性がばらけてしまいます。

実際に仕事の中での戦略を組む時、必ずコンセプトというものを経営者は持っているはずです。

反対にそのコンセプトを持っていなければ、何をしていいのか従業員が理解することは絶対にありません。

このコンセプトというのは

「本質的な顧客価値」

『ストーリーとしての競争戦略‐優れた戦略の条件』(楠木建 著)237ページ

であると本の中では定義しています。

この本を読むまで、私自身一従業員の立場からも顧客価値を意識したことはありませんでした。

この「本質的な顧客価値」について、本の中に書いてあることを要約すると

「本質的な顧客価値」とは「なぜ」顧客はその商品を買うのかの追求の結果である

と述べられています。

この「本質的な顧客価値」を定義することが、競争戦略における強みの基盤となります。

しかしここでは、従業員にとって「本質的な顧客価値」を理解するという点が、仕事で何をしなければいけないのかという意識に繋がるということを強調させていただきます。

起承転結における「起」にあたるのがコンセプトですので、経営者としてはこのコンセプトをしっかりと考え、そして周知させたいところです。

一見非合理的でも全体の流れの中で合理的になるものもあるということ

自身の業務が結果に対して一見非合理的で、何のためにやっているかわからないという事態に陥ったとしても、全体の流れをみたらそれが合理的であるという場合もあります。

これをこの本では「クリティカル・コア」と呼んでいます。

経営者の視点からいえば、一見非合理的であるという仕事でも全体の流れの中でいかに重要な役割を果たしているかというのを社員に理解させる必要があります。

戦略は結果から逆算して考える必要があるということ

この本では、戦略を作る際にどのような順番で思考すべきかということが述べられています。関連部分を引用します。

どんな戦略ストーリーでも、エンディングは決まっています。

それは「接続的な利益創出」というハッピーエンドです。

(中略)

エンディングは決まっているので、終わりから逆回しに考えたほうが、一貫したストーリーを立てやすいです。

『ストーリーとしての競争戦略‐優れた戦略の条件』(楠木建 著)173ページ

戦略はつまり「接続的な利益創出」という結果に向けてすべて練られているはずです。

このことを意識して仕事を進めていけば自然と「接続的な利益創出」のために求められる結果が予測できるようになります。

戦略は共感を得やすいものでなくてならないということ

最後に、これは経営者が特に気をつけなければならないことですが、戦略は共感を呼びやすいものでなければなりません。

だれにも理解できない、共感もできない戦略というのは組織に浸透しません。

当然そのような戦略では従業員の生産性も大幅に低下することでしょう。

少なくとも事業戦略というものは

「人が行うもの」

『ストーリーとしての競争戦略‐優れた戦略の条件』(楠木建 著)14ページ

です。

人が理解できないものは実際に実行できるはずがありません。

つまり戦略は皆の共感を呼ぶ必要があり、その前提があってはじめて、戦略を「ストーリー」として語る意義が生じるのです。

さいごに

私は「ストーリーとしての競争戦略‐優れた戦略の条件」を読んで、上司や経営者が抱いているストーリーというものを理解しようとすることで、自分の仕事がどのような意味を持っているのかを考えるようになりました。

すると仕事が楽しいと感じることが増えてきて、生産性も前より上がるようになりました。

そして結局のところ、この楽しい仕事というのは楽しいストーリーの中で自分の役割を意識することから得ることができるものなのでしょう。

経営者の立場からすれば、社員のやる気を引き出し、生産性をあげるためには戦略をストーリーとして話せるようになることが大切であるといえます。

これは社員のやる気を出すだけでなく、ほかにも様々な効果を発揮します。

詳しいことは是非ともこの「ストーリーとしての競争戦略‐優れた戦略の条件」を手に取って確かめてほしいと思います。

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